なにかとガセネタの多いApple製品だが、「iSlate」なる製品名までまことしやかにリークされると、けっこう現実味を帯びてくる。
ちなみに、Appleは非常に情報統制がしっかりしているので、「iSlate」の名前が世間に出たのは、Appleの巧みなメディア戦略ではないかと思っている。
さて、私はAppleのタブレットPCは単なる新製品ではないと思う。
iTunesやキンドルのようにクラウドを通じたライフスタイルそのものに変化を与える何か・・・ではないかと期待している。
何故こうした期待をするかと言えば、タブレットPCのようなキワモノ製品を売っていくためには、それなりの革新をアピールできなければならないからだ。
では、タブレットPCで生活を劇的に変える・・・とは?
一説によると、タブレットPCはiphoneをデカくしたイメージだという。
当然の前提としてネット接続は可能である。iphoneとタブレットPCを所有した場合の通信コストが心配だが、コスト面は棚に上げておこう。
タブレットPCにはハードのキーボードは付属しない。つまり、入力メインの機器ではないということだ。すなわち、「ビュワー」のような用途がメインになるはずである。
では、私たちは毎日の生活の中で、何を「View」しているのか?
最も日常的に「View」するものは雑誌や新聞であろう。
最近アップルは世界中の出版社に何やらアクセスしたという情報を目にしたが、夢かと思われた出版物の電子配信も、Apple主導ならば現実味を帯びてくる。
しかし、日本ではコンビニエンスストアという飽和状態にも近いリテール販売網ができあがっており、基本的に雑誌は「立ち読み」するというのが、我が国のライフスタイルである。
また、雑誌や新聞を読むためだけに、おそらくミニマムでも400gは超えるであろう「iSlate」を毎日持ち歩くだろうか?
言うまでもなく、モバイル機器に興味を抱くであろう日本人の圧倒多数は電車を利用している。
残念ながら、朝の山手線で「iSlate」で新聞を読むような余裕は私には無い。
新聞ビュワーがメインの用途なら、残念ながら購入はできない。
もう一つ問題なのは、iphoneユーザーをどう取り込むかである。
つまり、iphoneの機能と重複してしまっては、最もAppleに対して信任が厚いであろうiphoneユーザーが重ね買いしてくれない。
ネットも音楽もゲームもiphoneで可能だし、画面が小さくて困るようなことはほぼ無い(むしろ、Flashが動かないことの方が痛い)。
そこで、私の予想である。
「iSlate」は家庭内モバイルマシンではないか?ということだ。
例えば、山手線内で「iSlate」で新聞を読めと言われたら辟易してしまうが、家庭内でならOKではないだろうか?
時代はエコなのである。年間にどれだけの紙資源がムダになっているのだろうか。また、郵便受けまで新聞を取りに行く手間も省けるし、ちり紙交換に出す必要もない。紙代と配達コストが浮いた分、購読料を抑えられるならば、一気に切り替えが進んでもおかしくない。(問題は新聞の販売店網が大反対することだが・・・)
その他、専用の防水ケースなどに入れてキッチンに持ち込めば、クックパッドを見ながらの料理も簡単である。
さらに、米国のiTunesでは映画の販売も行っているので、ベッドサイドで映画を見るようなことも可能だ。おまけに、映画を見ながら、同じ画面でネット閲覧なんて、なかなか面白いのではないかと思う。
このような用途に限れば、キーボード付きのパソコンより、タブレットPCの方がより手軽で楽しい。
また、家庭内モバイルとすれば、無線LANで事足りるので、iphoneのように通信回線を別途契約する必要も無い。
というわけで、「iSlateは家庭内モバイルである」説は現実になるだろうか?
近日中の発表を待ちたい。